先月ゲットしたリメイク版「痕」に同梱で入っていた、
リメイク版「雫」を今月はちまちまプレイしておりました。
>『雫』公式
http://
「雫」といえば、なにはともあれ「電波」が有名ですが…
この物語において「毒電波」とは「力の象徴」であり、
人の脳神経を狂わし操る、狂気の「超能力」なのです。
その「力」が発端で始まる日常を蝕んでいく狂気・・
平凡な日常に息苦しい閉塞感と孤独を感じる主人公・・
「電波」の事を語る、瑠璃子さんとの出会い・・
「雫」はやはりメインヒロインである
『月島瑠璃子さん』の印象が大変強いですが
その瑠璃子さんとは、違う意味で印象深いのが
サブキャラ・太田香奈子ちゃんだと思いますね。
物語の冒頭で、平和過ぎる学校の授業中に
突如彼女が発狂する所から始まる「雫」のストーリー
事件の首謀者である月島拓也を恋い慕いながら、
彼の毒電波の被害者として、精神を破壊された、
『悲劇のヒロイン』でもあったりします。
太田さんと月島拓也は、表面上は『恋人同士』ではあるが
月島拓也の「心の拠り所」は、実の妹である瑠璃子さんにしかなく、
太田さんがどんなに想っても、彼の心の拠り所にはなれない切なさ…
それ所か相手は自分を次第に疎ましく思う様になり、
毒電波で「道具」として操り、支配する様になっていく中で
最後には「精神」を破壊されてしまう・・
このストーリーだけは、選択肢によって物語が変化する
「雫」というゲームの中でも決して「変わらない物語」なのです。
この「太田さんの悲劇」が起こるからこそ、
主人公・長瀬祐介の物語が始まるのですよね・・
「月島兄妹の悲劇」から「太田さんの悲劇」へと
『悲劇』が止まらない中で「雫」の物語はその「狂気」を
「悲しみの連鎖」を他者との繋がり『絆』によって止める。
『それぞれの悲しみを終わらせる物語』だと私は思っています。
太田さんというと、どのルートでも月島兄さんの忠実な僕として
エロス方面でも暴力&狂気方面でも大活躍キャラですがw
太田香奈子ちゃんの内面に迫れる物語となると、
やはり、太田さんの親友である瑞穂ちゃんルートですね。
精神崩壊させられた太田さんを何とか元に戻してあげたいと、
健気に原因を調査する親友・藍原瑞穂ちゃんのルートは
「雫」の物語の中で唯一、事件の核心に触れる重要人物
「瑠璃子さんが登場しないで完結する物語」だったりします。
太田さん、月島兄さん、瑞穂ちゃん、長瀬ちゃん。
それぞれが持つ心の「光と影」、「痛み」が伝わってきて
久しぶりに読んだ「瑞穂ちゃんルート」は、
自分でも不思議な程に涙を流してましたね・・
心を壊された太田さん…
その砕かれた心の欠片の中に
「月島拓也を慕う心」と「親友・瑞穂ちゃんとの友情」
その板挟みの末に月島さんの狂気を終わらせる為に、
親友を救う為に、恋い慕う彼を手にかけた太田さん・・
彼女の心の内側を思うと切なくなりますね。
「ミズホ、ゴメンネ…」の言葉だけを
懸命に紡ぐ太田さんと瑞穂ちゃんのシーン
その後のぐったりと動かない月島さんの胸に太田さんが
そっと寄り添うシーンの絵は、今見ても胸が苦しいですね…
あの畳み掛けるようなラストの切なさは、
「真相」に触れられないからこその切なさだと思いますね。
他者の心の裏側を知る事はとても難しく、
だからこそ「わかってあげたい」という気持ちになるというか・・
数年経った今、改めて読むと、
語られない『空白の良さ』を感じる物語だなと思いました。
そして、久しぶりに絵など描いてましたw
いや、それだけのパワーがある物語だなと改めて感じました。
「雫」といえば「狂気」や「恐怖」が
前面に出ているイメージがありますが、
物語の核の部分は、思春期の少年少女が必ず通る
キラキラした尖りやロックさ、それと同じ位の繊細さや純粋さ
「ジュブナイル物」として、とても誠実に作られた作品だと思います。
機会と興味がありましたら、
是非「雫」の物語に触れて頂きたいなと思います。
「ジュブナイル物」って
「リアルタイム」か「既に通り過ぎたか」どうかで
捉え方や感じ方が大分違いますからねー・・
いや、思春期を懐かしむ為のジュブナイルだとも思うのですがw
久々にやった「雫」は、
そんな「自分の思春期」も思い出させてくれましたね。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
基本的に「好き合ってるCPなら性別気にしませんw」
ドール・フィギュア・ミニチュア等の立体系オタでもあります。